2022年度 理事長所信

理事長所信

一般社団法人 寝屋川青年会議所
第47代理事長 西野 滋基

はじめに…

「新日本の再建は我々青年の仕事である」と設立趣意書に掲げ、戦後の荒廃の中で青年有志が立ち上がり東京にて青年会議所運動がスタートしました。我々のまちでも1976年に全国で602番目の青年会議所として(一社)寝屋川青年会議所はその歩みを始めました。以後、「明るい豊かな社会の実現」に向け、多くの時代の変化に対応し、その時々で、諸先輩方は知恵を絞り挑戦と成長を繰り返してきました。どの時代も歴史を動かし、変えてきたのは青年の力であります。日々変化する激動の時代において、高い志と強い信念を持ち運動に邁進する我々が、さらに成長しなければ輝く地域の未来はありません。諸先輩方の想いを引継ぎ、失敗を恐れず立ち向かい、我々も足を止めず前へ進んでまいります。

拡大スローガン「会員増強」~退会者0への挑戦~

会員拡大は各LOMの共通課題であります。日本全国の会員数は過去10年で約19%減少しており、10年後には人口減少や少子化の影響で10,000人を切る会員数になるとも言われております。我々(一社)寝屋川青年会議所は2020年度より拡大スローガン「会員増強」~退会者0への挑戦~を掲げ、ここ数年、量的拡大と質的拡大の両輪で進め、この厳しい状況下の中でも100名近くのメンバーを維持しております。そもそもなぜ会員拡大は必要なのでしょうか。青年会議所の存続のために会員拡大が必要なのでしょうか。自分たちが住み暮らす地域に関心を持ち、地域や未来ある子供たちのために行動する仲間を増やすこと、それこそが青年会議所の根幹であり会員拡大の目的であると考えます。その意識をメンバーが共有認識していれば、すべてのメンバーが自信をもって大切な人を入会させたいと思えるのではないでしょうか。本年度は創立50周年を見据え、会員拡大にさらに全力で挑む覚悟です。拡大と継続の2つのアカデミー事業を開催し、メンバーの意識醸成に努めるとともに、異業種交流会以外の手法にも目を向けることで50名以上の拡大を達成いたします。また、入会メンバーには毎月学びのある委員会を開催することでの参加意欲向上や、同期メンバーで切磋琢磨しながら例会を企画・設営することで、JC活動 のやりがいや魅力を伝え、メンバーを成長させてくれる機会を増やすことで、退会者0へ挑戦いたします。

おもいやり運動の推進

創設50周年に向け我々(一社)寝屋川青年会議所は、おもいやり運動のスローガンを掲げました。おもいやりとは相手に与えるものではなく、受け手がどう感じるかであります。我々が自己満足のおもいを発信するのではなく、受け手が何を求めているのかをしっかりと調査・研究する必要があります。それが、地域の現状把握(背景)であり地域の課題解決(目的)のためには何をしなければいけないのか(手法)を意識して、例会・事業を構築いたします。こうした運動発信を続けていくことで「地域から必要とされる団体」であり続けます。

発展と成長の機会を提供する例会

本年度は例会を通してメンバーが学び、成長する機会を多く提供したいと考えております。JC運動の基礎は例会にあると考えます。それはJCI Mission(青年会議所の使命)にある、青年に「発展と成長の機会を提供する」こと。そして、青年が「まちをよりよくする運動をつくることができるようになる」ことです。すなわち、まちをよりよくするためには、まずは我々メンバーが、自己を磨き成長し、リーダーとしての自覚を持ち、まちの輝きの起点になる必要があると考えます。近年、ICTの発展等で調べれば表面上の知識は何でも得られる時代になりました。しかし、調べて知識を得るだけが学び成長することではありません。実際に挑戦し、多くの経験から物事の本質的な部分を見抜くことのできる青年経済人になることが本当の成長ではないでしょうか。そして、個々のJC活動を支えてくださっているのは家族や会社関係の方達であることを忘れてはなりません。経済的発展や次世代教育を目的とした例会にも取り組み、得た知識や知恵を個々の今後の人生や生業、ひいてはまちの発展に向けていけると確信しております。

進化する継続事業と持続可能な新規事業の創出

コロナウイルスの感染拡大防止と三密を避けた新しい生活様式の実践により、日常生活や経済活動の制限にとどまらず、地域のお祭りやイベントまでもが中止という選択肢を余儀なくされています。地域が活気を取り戻し再び輝くために、行政や各種団体はウィズコロナやアフターコロナの名の下に感染拡大防止を最優先に考えたイベントやお祭りの開催に向け試行錯誤を重ねています。今こそ青年会議所が不安を抱えながらも新しい活性化の有り方を模索し示す、地域にとっての光となるべきだと考えます。
ここ数年中止を余儀なくされた継続事業では、実行委員会で当事者意識を持ち、規模を縮小しての開催提案や新たな形での事業提案し、はっきりと方向性を定めメンバーが一丸となり、行政や各種団体と連携し、市民が誇りに思える継続事業開催に向け邁進してまいります。また、引き継ぎ事項だけの事業のブラッシュアップに留まらず、諸先輩方からの教えを大切にしつつ、新しい時代に合った事業の工夫を織り交ぜることで、進化する事業を実施いたします。
そして、(一社)寝屋川青年会議所の女性メンバーは年々増加傾向にあり、理事の割合も高まりつつあります。これは(一社)寝屋川青年会議所の強みでありグローバル化やダイバーシティの観点からもこの強みを伸ばしていく必要があります。組織の中で女性が何を求めどう輝けるのかを調査・研究するとともに、組織内制度を整えていくことで、組織で活躍したいと希望するすべての女性が、個性や能力を存分に発揮出来るようになる組織の在り方を示し、女性が活躍できる社会の実現を目指します。
さらに、少子高齢化や人口減少により衰退するまちに活気を取り戻すために、地域が抱える課題を検証し、持続可能なまちづくり事業を創出いたします。寝屋川市の風土・文化・産業を有効な地域資源として価値を見直すことから始め、実効性・継続性・連携性のある具体的な事業構築をいたします。
各種事業においては単発の事業で終わってしまうと地域への効果は薄いと考えられます。市民に目を向けた事業展開を念頭に置き、三方よしを意識した事業展開が必要であり、「自分よし」「相手よし」「世間よし」の精神を汲み、事業の基盤とすることで世間から熱望される持続可能な事業を創出いたします。

輝きを放つ組織運営

本年度は組織の基盤である事務局グループに光をあて組織運営を進めてまいります。新たな役職を設置するとともに、総務・広報委員会を分離し、各々の役割を明確化することにより、組織を基礎からアップグレードいたします。各自が取り組む専門的な役職において、一人ひとりが、その力を十二分に発揮し、LOMメンバーに最大限の活動が行えるよう下支えをしていく必要があります。各委員会との調整役として関係を取りもつための気配りを日常的に行い、時には寄り添い、時には厳しく対応できる総務。財政面から厳正に事業を審査し、費用対効果と相対支出を考えて会計基準と照らし合わせながら検証していく財務。対内、対外において戦略的な広報を打ち出し、SNSなどを良きツールとして利用し情報発信を行い、LOMのブランド力を高める広報。JCI日本、近畿地区協議会、大阪ブロック協議会への出向、各種大会への動員業務を行う渉外。それぞれのミッションにおいて、LOMの屋台骨として常に組織がよくなるように努め、責任感をもった活動を行ってまいります。

進歩、進化、その未来に~まちの輝きの起点となれ~

(一社)寝屋川青年会議所が産声を上げてから47年を迎えます。組織が世代を超えて紡げられてきたのは、諸先輩方から事業を引き継ぐのではなく、(一社)寝屋川青年会議所に宿る大きな熱い志を引継ぎ、新たなことに挑戦し変化を受け入れてきたからこそだと確信しております。
単年度制の青年会議所において、メンバーがその年年でしっかりと目標を定め、そのゴールに向かって逆算して行動を起こせば、必ず目標は達成され自己の成長を実感することができます。人生で今日という日が一番若いのです。1日、1日を無駄にせず進歩し続けましょう。
そして、急速に時代変化する現代において、今の時代だからこそできること、今の時代しかできないこと、全て良い変化として受け入れ、立ち止まることなく活動して参ります。失敗を恐れて挑戦することを止めてしまえば変化は起こりません。進化は変化なしでは成り立たないのです。(一社)寝屋川青年会議所は、変化の原動力となり進化し続けます。
一歩一歩成長し、変化を受け入れて挑戦して輝きを放ちましょう。この輝きがひとからひとへ、ひとからまちへ輪を広げ、私たちのまちは「明るい豊かな社会」へと進みます。 私の目指す地域社会、それは地域の一人ひとりが明るい未来に向け前向きに成長していく意識をもった社会です。地域の仲間が集い、よりよくなろうと行動を起こす時、このまちの未来はきっと変えられます。

結びに…

人は人生の中で、幾つかの転機が訪れます。この転機をどう捉え、どう行動するかによりその後の人生が大きく違ってきます。その転機を前向きに捉え、挑戦した経験が人生を好転させる転機となります。逆に時代変化を恐れ向き合うことから逃げてしまえば、その転機を活かすことができません。新たなステージに立ち次の一歩を踏み出すためには、時代の変化を捉え、自身の未来を描き行動することで、明るい未来が創られます。全てのメンバーが自信と誇りを胸に(一社)寝屋川青年会議所の運動に邁進できるように、そして私を育ててくれた諸先輩方、メンバーに恥じないように、感謝の気持ちと覚悟を胸にメンバーと共に成長し続けることを固く誓い、第47代理事長所信とさせていただきます。